「彼のヒミツ」

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「凜~っ!」 「わっ」 勢い良く後ろから抱きつかれて少し前のめる。 こんな可愛らしい声の主と言えば私の頭の中の記憶からすると、1人しか見当たらない。 「どーしたの?雛羽」 そう言って振り返ると、 私の記憶通り 同じクラスの 「琴平 雛羽」 が立っていた。 天然パーマがかかったふわふわの長い栗色の髪と小柄な身長。 さらに円らな瞳で、ちっちゃなワンコみたいに見える。 そんな雛羽は今にも泣きそうな顔をして、ぎゅっ と制服の袖を握り締めている。 そんな様子の雛羽にもう一度話しかける。 「何か、あったの?」 すると雛羽は、無言で頷いた。
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