「彼のヒミツ」

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*** 全ての授業が終わり、軽く伸びをする。 「あー…っ 今日も疲れたぁ…」 筆箱やらノートやらをバッグに入れていると、 雛羽がこちらに駆けてくる。 「凜~ 早く帰ろ」 「あ、うん!」 下手に雛羽を待たせてその男子生徒達と鉢合わせでもしたらやばい、と 私は急いで適当にバッグに詰め込み教室を後にした。 *** 急いで階段を降りていると、雛羽が話しかけて来た。 「そういえば今日宿題で出た科学の問題集、もう凜は終わった?」 「え?あぁ、まだだよ。 最後の1問がよく判らなくて…あっ!!」 言いかけて、私は急に立ち止まる。 そんな私を見て雛羽が不思議そうな顔をして聞く。 「どうしたの?」 「ごめん! その問題集教室に忘れて来たかも! すぐ取ってくるから靴箱の所で待っててっ!!」 「うっ、うん…」 心配そうな雛羽を後にして、急いで階段を登る。 少し息を切らした頃、やっと教室へと辿り着いた。 戸を開けて中へと入ると、 もう人は誰も居なかった。 「ええっと…科学の問題集…は…」 とりあえず自分のロッカーの中を探してみる。 「……あれ?確かにロッカーに………あったぁ!!」 よし、帰ろう。 そう思って立ち上がったその時、 ガラッ。 扉の開く音がして、私は反射的にその場にしゃがみこんだ。
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