「彼のヒミツ」

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「えっと… これでいいかな?」 「おっ! うん、ごめん直樹; サンキューな!」 <直樹>………? 私の頭がフル回転する。 が、やっぱり思い出せなかったので 少し身を乗り出して声のするほうへと頭を傾ける。 すると私の眼に映ったのは、昼間女子生徒に王子様と呼ばれていた、あの男の子だった。 「まじありがと! じゃあまた明日な~!!」 「うん、じゃあね!」 もう用が済んだのかもう1人の男の子は行ってしまった。 「王子様」の方は、昼間と変わらず屈託のない笑顔を見せている。 ……やっぱりあの笑顔は作り笑いじゃなくて本心なのかな? そう思った、そのとき。
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