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それから半日後、百舌鳥、栗栖、熊猫の三人は目的地である『オワタ樹林』へと、なんとかたどり着いていた。
「ギルド館から貰った支給品のおかげで目的の場所まで来れたねぇ、魔王討伐だけあって支給品の量もウハウハです。」
「栗栖ちゃん楽しそうね、私はこんなにも疲れてるのに。あと危ないから薙刀振り回すのやめて。」
くたびれている百舌鳥を尻目に、栗栖は意気揚々と薙刀を振り回していた。
「まぁ栗栖の言う通りなんだけどね、前金も貰ったし、その上支給品も貰ったおかげで充分な装備が準備できた訳で。」
熊猫は対称的な状態の二人に言った。
「とりあえず、準備が出来次第入りますけどいいですかね?」
「わたしはオッケィ、むしろ早く行きたいです。」
栗栖は既に興奮気味だ。
「えーめんどい」
百舌鳥は相変わらずだ。
「二人とも了解と言うことで。」
熊猫が言うと、三人はそれぞれ仕度を始めた。
実は、持っていく道具は各々が用意をして、それぞれ好きな道具を持っていく事が三人の中で暗黙の了解となっていた。
数十分ほどで仕度は終わり、三人は依頼の最終確認を始めた。
「じゃあ今回の依頼確認始めまっす。」
栗栖が依頼用紙を読み上げる
「今回の依頼内容は、『オワタ樹林』に居る地元魔王の討伐ですー。で今回はギルドからの依頼になってて、これが成功すると更にランクが高い依頼を受けられるようになるんです。」
「もともとの依頼に、ランクアップの試験を追加した感じか。」
「らしいね、もともとのこの討伐依頼はツィータから出てたみたいよ?」
百舌鳥と熊猫は依頼の真意にすぐに気がついたようだ。
栗栖は続ける
「魔王についての詳細なんだけどね、なんか獣らしいよ?なんかかなり強くて、いまんとこ負け無し。なにこれやる気でる。」
依頼用紙を読みながら、さらに栗栖のテンションは上がっていく。
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