序章

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「えっ? 今の声なに?」 私は謎の夢に起こされて、布団をバッとはいで起き上がった。 誰かが助けを求める声……。 夢だと思うんだけど、なんだかそんな感じはしたかった。 はっきりと言葉を覚えている。 これは助けを求める声と言うより、 むしろ警告。 助けないと大変なことになるような、そんな気がした。 時計の針は朝の5時半を指している。 「そう言えば、場所がわかるとか言ってたような……」 私は誰に言われることもなく、いつの間にか目をつぶっていた。 すると、頭の中に地図が浮かんできた。 「ここって……」 頭の中の地図がさしている場所は、この雛野市の名所、70メートル以上あるヒマラヤ杉、この地の名前で大杉の木っていう木の所だった。 「あそこってお父さんが言っちゃダメだって言ってたんだよなぁ」
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