序章

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「君が僕の声を聞いてくれた人?」 どこからか、男の子の声が聞こえてきた。 周りを見渡しても誰かがいるような気配はなく、ただ木が騒然と生い茂っているだけだった。 「どこ見てんの、下だよ。木の根っこ辺りを見て」 私は言われたとおり見たんだけど、本当にこの子なのだろうかと不安になった。 「もしかして、君が私を呼んだの?」 「そうだよ。その通りさ」 私はついつい後ずさりしてしまった。 なぜなら、そこには水色の毛が混じったリスがいたからだ。 しかもしゃべるし。 そのリスは私の反応を見て、腕を組んでため息をついた。 「そんな驚かないでくれよ。ある事情があって、こんな姿になっているんだから」 私は、リスが言う言葉なんかより、なぜ私に助けを求めたのかが気になって仕方が無かった。 「どうして私に助けを求めたの?」
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