序章

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「お嬢様! おやめください。危ないですよ」 あらら、執事のじぃやさんが困ってる。雫ちゃんは、やんちゃだなー。 「うん。また明日だよー!」 大きく手を振り帰す。 窓から手を振る雫ちゃんは、口調こそ男の子だけど、本当はとっても可愛い。 雫ちゃんは、私が手を振り返したのに満足したのか、もう一度笑顔をみせて、窓から消えた。 そして、それを待っていたかのように、じぃやさんはリムジンに乗り、リムジンは遠ざかっていった。 リムジンが見えなくなると、私は振り返って家を見つめた。 私の家は、海沿いにあります。 道路を挟んで、海の向かいに私の家はあります。 スライド式の木の門が私の目の前にある。 今時、こんな門がある家は珍しいと思う。 「あれ、みことかしら? こんなところで家見てどうしたの?」 「あっママ。なんでもないよ。買い物行ってたの? 荷物持つね」 「うん、ありがとね」 この綺麗な髪をツインテールに結んでる女の人が私のお母さんです。
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