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オレと弟は見合わせた顔にニヤリと笑みを浮かべて、
「「はーい!!」」と、その場だけの返事を返す。
そして、母さんがドアを閉めて、車のエンジン音が遠ざかったのを確認してから、
「「出撃!!」」
二人して布団から飛び起き、リビングに飛び出した。
「兄ちゃん! 今日こそゲキツイしてやるかんな!」
「ふふん、百年早いんだよ!」
オレと弟はワクワク度MAXでポレステ3をテレビにセッティングし、起動する。
こないだ、クリスマスを待ちきれずに三ヶ月分のお小遣いを使って買ったソフト、『ギャンダムvs.ギャンダムEX』を二人して遊び倒すためだ。
母さんが居る時は一日一時間だから、こういうチャンスに遊ばない手はない。
「ふははは、だから兄ちゃんはアホなのだぁああ!」
「ケッ、ところがギッチョン! 当たらなければどうということはない!!」
ゲームが始まれば、オレ達はギャンダムのパイロットだ。
熱中しすぎて、母さんや父さんが帰ってきたのに気づかないことがあるけど、その時はその時。今はただ、ゲームを楽しむという任務を精一杯こなす!
「ここでフィン・ファンネル! よけれるか、兄ちゃん!?」
「甘いな……トランザム!!」
「にゃっ!?」
弟はまだオレより弱いけど、それでも負けそうになることは結構ある。だからこそ、このゲームはかなり熱中してしまう。
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