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兄としてのイゲンを、ゲームの中でも示す必要がある。負けられない!
「ちょっ、兄ちゃんタンマ!」
「待つかよっ! トランザム・ライッ……」
ピンポーン。
「「はぅっ!?」」
勝負中断。
ポレステ3いんぺい。
弟ベッドへ猛ダッシュ。その間15秒。
父さんだったらまだ怒られずに済むけど、母さんだったらバレたりしたらアウトだ。
心臓がバクバクと音を立てていた。
オレはチャイムを押した主を確認するため、玄関へ行ってドアスコープから外を覗き込んだ。
……真っ黒で何も見えない。
いや? というか、そもそもこの時間にチャイムが鳴ること自体がおかしい。
「父さん? ……母さん?」
……返事もない。
父さんか母さんが鍵をなくした可能性もあったけど、近所の友達のイタズラかもしれない。
「誰かいるのか?」
オレはなんの気なしに、ドアを開けた。すると目の前に、
「うわっ!」
黒いサンタ服を着た、大きな男が立っていた。
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