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「あ、あの……えーと……」
私は真っ白な頭を精一杯回転させて、コメントを探す。
付き合ってるのは本当だし。
大体、松田くん達なんか絶対そのことに気づいてるし。
後ろめたいことしてるわけじゃないし。
スパッと言っちゃえ!
そう思ってみんなを見回した瞬間、
…………めまいがした。
好奇心いっぱいのキラキラした目が、たくさん私を見つめている。
この場にいる全員が、私に注目しているのだ。
みんなはワクワクした顔で、私の動向を見守っていた。
(こ、こんなの無理!!!)
もともと目立つことが苦手な私にとっては拷問でしかない。
ほてる頬に、暴れる心臓の鼓動。
気を失ってしまいそうだった。
「……お前ら、いい加減にしろよ」
そんなフニャフニャな私のそばにかばうように立つ人影。
どことなく赤い顔をした陸くんだった。
「松田、貸して」
陸くんは松田くんからマイクを取ると、一瞬私の方を向いてイタズラっぽく笑った。
「俺たち、付き合ってます。
……はい、終了!」
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