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「鷹合さーん」
教室で、クラスメイトに声をかけられる。
自分の席で、模試の結果にため息をついていたわたしは、慌ててその紙を机の中にしまった。
「な、なに?」
「鷹合さん、あさっての放課後とか空いてない? 実はさ、合コンの人数が足りなくて……。
あ、合コンって言っても、普通にカラオケパーティみたいなものだから、そんな彼氏とか意識しなくても大丈夫だと思うよ」
いやいやいや、今、思いきり合コンって言ってたじゃん。
「……せっかくだけど、わたし、予備校だから……」
なるべく愛想よく作り笑い。
すると、始めからわたしには期待していなかったのだろう。
クラスメイトはアッサリと諦めて、『わかった。ごめんね』と行ってしまった。
でもわたしのところに来るなんて、結構切羽詰まってるってことだと思うんだけど、大丈夫かな。
ま、いいか。
(……あーあ、面倒くさーい)
ここらでは『清純系ナンバーワン』なんて言われてる女子校に通うわたし。
だけどその実態は、清純なんてとんでもない、かなり肉食系な少女の集まりだった。
女子校の生徒って、男に免疫のない子になるか、逆に積極的になるかのどっちかが多いって聞いたことあるけど、うちの学校は完全に後者。
みんな彼氏とか、合コンとかにいつも興味津々。
どっちかっていうと女子力低めで、そういうのが得意でないわたしは浮いた存在だ。
(……もう……早く放課後になんないかなー)
今日は孝之くんと会う約束をしている。
今すぐ会いたいな。
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