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「いいよ、特力はねー・・・・・・」
このように同い年の話とすることで、シロにコミュニケーション能力が培われていくのだ。
そして、それと同時に心読みが感じているのは
――――発想があの子と一緒なんだよね。まぁ、能力はシロが上なんだけど・・・・・・。
<本当にその蜜柑って子とそっくりなんだねー>
「覗いたの?僕の」
<うん、ちょびっと。でも、その蜜柑って子に会いたいな。>
「・・・・・・それは」
<分かっている。もういないんだよね>
シロは皆がよく思う“蜜柑”という子に会ってみたいと思っていた。
しかし、記憶を見て感じたのはその子はもう亡くなっておりあうことも出来ないみたいだ。
唯一見ることが出来るのは、彼らの記憶の景色に映る彼女の姿。
そして、紫色の目をした少女や目に星が付いている少年たちと撮っている写真だけだった。
「蜜柑ちゃんは僕らの太陽だったんだ。この腐りきった学園を根本から変えようとした二人の娘さんでね。
その二人の意思を考えもせず、同じように実行した面白い子だったんだ。」
<無効化のアリスだったんでしょ?>
「よく覚えているね。そう、全てのアリスを無しに出来る唯一のアリス。
彼女はそのアリスでいくつもの困難も乗り越えたり、また打ち勝ってきた。
今思えば、たくましい女の子だったよね」
<元気な女の子だったんだね>
記憶を覗きながらシロは、楽しそうに笑う心読みを見て顔が綻んだ。
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