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デッキのハッチが開き、
高空の澄んだ空気が充満する。
《タイミング、譲渡します》
無線に耳を澄ますのは、
どう見ても少女。
しかし、
その体は強化ラバーや対弾装甲、
兵器のソレを纏っている。
風がくすぐったいのか
髪を左手で解す。
白い細長い、硝子細工の様な指。
目を開く、眼下には蒼空。
少女が口を開く、流暢に応じる。
「機攻姫、プレデシア。了解」
青い装甲の少女は、
口を開けた空にもたれ掛かる。
「…………出るから?」
《どうぞ。御武運を》
「じゃ、またね」
少女は軽く言い残して、
青い世界へと倒れ落ちた。
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