鋼鉄少女のガンパレード

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上空2000メートル、 時速32キロの荒風が 少女のショートヘアーを揺する。 ぐんぐんと降下していく、 重力落下する少女の脇を 別な臙脂色の少女が掠めた。 「援護、よろしくぅ!」 「……うん」 コクリと青い少女、 プレデシアは頷いた。 ちなみにこの瞬間、 臙脂色の少女、マトショリカは、 時速200キロで飛行していた。 それでも出力を 絞っていた事はすぐに分かる。 「じゃあ、後でね!」 「……御武運を?」 「アハハッ! ありがと!」 突如、臙脂娘の背から爆炎。 急加速用のアフターバーナーだ。 マトショリカ、 通称マトリシカは背部に戦闘機と 同じ動力を配置している。 もはや彼女が戦闘機なのだ。 ターボジェットとロケット、 燃費の悪さから廃れた機構さえ 少女には搭載されていた。 一方、青の少女プレデシアは 音速の影に手を振っていた。 無表情のままで。
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