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トンネルを出るとそこは別世界だった。
そこには畑も田んぼも無い。高いビルばかりだ。
なんか近未来の世界へ来た感じ…
もう何時間電車に乗ってたかわからないけど、早く外の空気が吸いたくなった。
大都会の駅に着くと、僕は一つ深呼吸をしてみた。
空気がマズイ。
僕と母は駅からタクシーに乗って新居へと向かうことにした。
街は全体的に灰色だった。前住んでた所はもっと黄緑っぽかったのに。
僕はそっちの方が好きだ。
そんな灰色の街の中に一際目立つ高い高層マンション。
その高層マンションの15階が我が家の新居だそうだ。
エレベーターはとんでもない速さで僕を部屋の階へと運んだ。
部屋の窓から見る町並みは、前に住んでた所よりも遥かに高かった。
落ち着かない。
飛行機にでも乗ってるようなカンジ。
きっと、慣れるのには時間がかかるだろうな。
「明日から、学校があるんだから、早く寝なさいよ。お母さんは明日も仕事でしばらくは帰ってこないから。」
うちは元々シングルマザーと言う奴で、お父さん何てもんはしらない。
母の仕事も忙しいらしく、ほとんど家にいることは無い。
僕は目覚まし時計をセットして早めに寝るコトにした。
明日は、早めに出ないと始めての登校だから道に迷ったりしたら大変だからね。
あれ!?
時計が無い。。
そっか、引越しの段ボールの中にあるのか。
オレは、友達から渡された腕時計のアラームをセットすることにした。
なんでも『Gなんたら』って言うちょー有名な時計の最新モデルで、つい2日前に発売されたばかりのレア物だそうだ。
ありがたく、使わさせて頂きます。
そう言えば、都会の学校ってどんな所なんだろう…?
そんな気持ちでオレは地べたに引いた敷布団で眠りに着いた。
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