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信号の青が点滅して赤に変わっているのにオレは気づかなかった。
と言うか気付けなかった。
『あ…あの建物だ。』
そう、思った瞬間だった。
T字路を大きなトラックが無理な角度で入ってきた。
大きなクラクションの音と共にオレはトラックに突き飛ばされた。
『遅刻…確定、だな。』
灰色の街は段々暗くなっていった。
人間はあまりにも早すぎる展開に神経がついていかないらしい。
めちゃくちゃ痛いのに、そんなに痛みを感じなかった…意味わかんね。
口の中は、砂とか血が混じった変な味がする。
オレ、このまま死ぬのかなー…
都会の学校に一回でイイから登校してみたかった。
通学してみたかったなぁ。
そう言えば友達がいってたっけ…
都会の学校は校庭が緑なんだってさ。
タータントラックっていうオレンジ色のやつもあるんだってよ。
女子は、みんなミニスカートはいてて、ソックスメッチャ上げてて、髪が金髪で…
ってなんてクダラナイ話をオレは友達としてたんだろう。
死ぬ間際に『ソウマトウ』を見るのは本当なんだなって思った。
だめだ、意識が飛ぶ…
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