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始まり
『ピンポンパンポーン間もなく一番線に…』
「俺達、離れてても、と、友達だかなっ…」
友達が駅のホームでしゃくりあげて泣いている。
彼の使い古された台詞を聞いてもわかるように、オレは転校をし、この町と遠く離れたところへ行くことになったのだ。
「泣くなよ~オレ笑ってお別れしたいからさ。」
電車は時刻表通り、ホームの中に入ってきた。
『えー…お見送りの方は~』
「オレ、そろそろ乗らなきゃいけないから。向こう着いたら手紙書くな。…じゃあね。」
「…また、、また会おうね!!!」
友達はどうしても涙が止まらないらしく、ハンカチで顔を押さえながらそう叫んだ。
「あぁ、また会おうな。」
オレは電車に乗って、切符に書いてある、指定座席に座って彼に手をふった。
電車はゆっくりと発車した。
そして、ゆっくりと加速していく。
ホームが見えている間、彼は頑張って走ってついてきていた。
やがて、列車は完全に駅をでた。
辺りは一面畑だ。
僕が今まで住んでた所はとても田舎で、町には家と畑と田んぼしか無いような町だった。
でも、お母さんの仕事の都合で遠い都会へ向かうコトになったのだ。
電車は長いトンネルに入った。
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