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カランと音を立てて店のドアが開いた。
どうやらオレが雨宿りしてたのは喫茶店だったみたいだ。
開いたドアからコーヒーの匂いがする。
いや、そんなことはどうでもいい。
オレが言いたいのはそんなことじゃない。
店から出てきた人が見るからに男なのにメチャクチャ可愛い。
なにあれ、なにこれ。
「とりあえず中に入ったら? 制服、少し濡れちゃってるみたいだし」
「はい」
お言葉に甘えて入ることにした。
中に入ったら甘い香りがスゲーして一気に腹が減ったけど、この際ガマンする。
「はい、タオル」
「ども……」
「その制服、彩戯のだよね? 寮生?」
「はい……でも雨が凄くって……」
「そっか。寮に連絡しようか?」
「いえ、同室の奴に連絡したんで大丈夫ッス」
「そう」
うーわー、ふわって笑った顔がまたヤバい。
なんなのコレ、なんなのアレ! オレ今おかしくないかな。普通に接してるかな。
てゆうか男の人相手にドキドキしてるとかマジ有り得ない。
でもドキドキする!
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