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「ようブラコン」
「……おはよう」
教室に入るなり、開口一番に友達からそれ言われた。
ブラコン。間違ってはいない。
だが第三者から言われると釈然としない。
「おはよう、イチ」
「ウミ! おはよう」
「ヒイロもそんなこと言ったらダメだろ」
「俺は事実を言ったまでだ」
三人は幼稚舎から彩戯に通う幼なじみ。
エスカレーター式でそのまま進級してきて、大学でも一緒に連んでいる。
「大体、弟も中3だろ? いつまでも兄貴にベッタリとか有り得ねーし」
「別に俺がベッタリしろって言ってる訳じゃねーよ! それに同じガッコに通ってんだから朝一緒にガッコ来てもおかしくないだろ! な、ウミ!」
「仲が良いのはいいことだよ」
「ほーら! ウミもこう言ってんじゃん!」
「ウミ、甘やかすなよ。だからコイツ今でもちっこいんだよ」
ペシペシと緋色は壱の頭を叩いた。
そういえば2人も中学からドンドン身長伸びたっけなんて憎たらしい思い出を振り返りながら、壱は緋色の足を蹴った。
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