7/15.【始まり】

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.  ヒサこと、宮間久紀(ミヤマ ヒサノリ)は同じクラスの同級生だった。  ヒサは俗にいうクラスの人気者。  キラキラした笑顔で女子にモテて、人懐っこい性格で男子にも好かれて、成績も良いから大人からの評判も良かった。  それに対して俺は根っからの卑屈で根暗で、高校生になった今でも友達はいない。  別にいじめられてるとかじゃない。  クラスの奴に話しかけもすれば、話しかけられたりもする。  ただ、深く関わらないだけ。  ただ、目立たないだけ。  こんな俺とヒサは一生関わりのない人生を歩むんだと、あの日までそう思ってた。 「藤沢暁良(フジサワ アキラ)君」 「……」 「あれ、違った?」 「違、わない。宮間に声を掛けられるとは思わなかったから」  とある放課後。  帰ろうと玄関で上履きから靴に履き替えていたら、宮間に突然話しかけられた。  宮間の色素の薄いサラサラの茶色い髪は、ベタッとした俺の黒髪とは段違いで綺麗だった。 「一緒に帰らない?」 「なんで」 .
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