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「帰りたいから」
「俺じゃなくても宮間なら一緒に帰りたい奴、たくさん居るだろ」
「俺は暁良と帰りたい」
いきなり名前を呼ばれてビックリしてると、宮間は俺の腕を引っ張ってさっさと歩いていった。
何なんだ?
なんで俺は宮間と帰らなきゃいけないんだ?
そもそも何で宮間は俺なんかと帰りたがる?
訳が解らない。
「ずっと話がしたかったんだ」
「俺と?」
「うん。クラスの奴で話をしたことないの暁良だけだったから」
つまり興味本位か。
「だから、ずっと気になって仕方なかった。暁良はいつも独りだから」
「……」
「いつも見てたこと、気付かなかった?」
「全然」
「そっか。俺はね、君が好きなんだ」
その言葉に俺の足は止まった。
止めようとした訳でもないのに、勝手に止まって動かなくなった。
またしても意味が解らないことをコイツが言うからだ。
好き? クラスの人気者が根暗な男を。
しかも女子じゃなくて男子を好き?
「信じられない?」
「当たり前だ」
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