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「俺は、君だよ。大人の、君」
そう告げると、今度は驚きを隠せない様な表情になり。
「本当―!?」
笑みを浮かべながら俺の足下へと駆け寄ってきた。
「うん、本当だよ」
言いながら小さな俺を抱き抱える。本当に小さいよね。我ながら可愛いなぁ、なんて思ってしまう。でも、この小さな身体にはどれだけの悩みや悲しみを抱え込んでいるんだろう。
勿論、ローデリヒさんやエリザベータさん、兄ちゃんやトーニョ兄ちゃん達との楽しい時間もいっぱい詰まっているのだろうけど。
そんなことを考えながら頭を撫でていると、彼は突然真剣な表情になり、俺に問い掛けた。
「あの…大きな僕の近くには、神聖ローマは居ますか?」
これは、正直に答えるべきなのかな?でも俺。これ以上、悲しい思いはさせたくないんだ…。
「勿論…!
兄ちゃんやアントーニョ兄ちゃん、ローデリヒさんやエリザベータさんもみんな一緒だよ!」
「わぁー!」
小さな俺は、本当に嬉しそうに笑いながら、俺の話を聞いていた。これが小さな俺の支えになるなら、そう思いながら夢を語る。今のうちはこれで大丈夫。
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