君への願い事

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早朝の海。 フェリシアーノは一人砂浜にしゃがみこんでいた。 片手には一枚の手紙が入った小さなボトル。 フェリシアーノはこのボトルを持ち、 最愛の彼に、 自身の小さな初恋に、 別れを告げに来たのだ。 … 昔ね。僕がまだじいちゃんと暮らしてた頃、じいちゃんが僕に話してくれたことがあったの。 それはね。 お願い事を書いた手紙をボトルに入れて海に流すと、願いが叶うって話だったんだ。 … 「神聖、ローマ…」 フェリシアーノはポツリと彼の名前を呟く。 それからゆっくりと立ち上がり、手に持っていたボトルを海へと放り投げた。 ―これが、僕のお願いだよ。  生まれ変わったらね  また、君と…  
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