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――――
「―菊!」
さっきまで庭の手入れをしていた耀さんが、急に私を呼んだ。
「どうかなさいましたか?」
「これを持つある」
手渡されたのは一本の柳の枝。
「……?」
私が枝を持って不思議な顔をしていると、耀さんは微笑み。
「その枝を丸く結ぶあるよ」
私は言われた通り、持っていた柳の枝を結び輪を作った。
「こう、ですか?」
「そうある。ちょっとそれ貸すよろし」
耀さんに柳の輪を手渡すと、彼は自分の持っていた柳の枝を輪に通し、そのまま輪を作った。
形的には輪と輪が繋がって鎖の様だ。
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