深夜のコンビニ

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常連のお客様は、立ち読みしてるから気遣いなくと応じ、私は一心不乱に店の床を磨きました。 暫くして私は異変を感じました。 誰かが動き廻る気配があります。 微かな足音がします。 視界の隅に人影が感じられます。 ハッとして顔を上げても店内には私と、立ち読みを続ける常連の方のみ。 気のせいと分かり再びモップがけの為に床に視線を落とすと、やはり誰かの気配。 おかしい・・・。 私は仕方無く立ち読みをする常連のお客様の買い物籠を確認しました。 足下の籠は空。 やはり別に誰かが動き回っている・・・。 しかし、来客があれば自動ドアに反応し奥の事務所のインターホンが鳴ります。 そもそも自動ドアの音も深夜のコンビニでは響くのに・・・。 不気味に感じつつも、仕事に従事する事にしました。 深く考えるより日常的な行為で現実逃避をしたかったのです。 ですが、ついに決定的な現状が起きました。 『ブツブツブツ、モニャモニャモニャ!』 念仏!? 店の端、酒類コーナーがある角を清掃していた私は、背後、店の中央辺りからの声に驚き振り返りました。 はっきり聞こえましたが、店の中心、声の聞こえた辺りにはやはり誰もいません。 私は念のため常連のお客様の位置を確認しました。 動いていない。 彼は店の端、私と対角線の角にあるコミックコーナーに立っていました。 ただ1つ違うのは、その視線は手元に開かれたコミックではなく私に向けられていました。 私と常連のお客様はお互いの視線に気付き、同時に店の中央を指差して口を開きました。 『今、その辺りで声が聞こえませんでしたか?』
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