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7年位前に勤めていた会社での出来事です。
ある日、いつものように残業をしていたら自分の携帯に先に帰った先輩から電話がありました。
残業中は自由に電話しても良かったので出てみたら、
『残業中すまん。大事な資料を忘れたから駐車場まで持って来てくれないか?』
と言われたので同じく残業をしていた同僚に一言言って駐車場に向かいました。
駐車場に着くと先輩が待っていて
『ありがとう!』
と資料を受け取り車で帰って行きました。
次の日、出勤すると部長から
『おい、昨日T(先輩)と残業中に話したのはお前か?』
と聞かれたので昨日のあった事を話したら、
『実は帰宅してないらしい。しかも、車は駐車場に停めてあるままなんだが・・・。』
と言われ駐車場に行くと確かに先輩の車がありました。
車内にはキーは挿しっぱなしで渡した資料もありました。
自分は確かに先輩が車で帰って行くのを見送ってました。
部長が
『一緒に駐車場の監視カメラの映像を見てくれ。』
と言うので見てみました。
会社の監視カメラは5秒ごとに更新するタイプで映像はカクカクです。
先輩が車に乗り込み走り去り、自分が会社に戻った後に映像が途切れ、再び画面が写ると先輩の車が写っていました。
途切れてた時間は約1分半で、会社の周りは一方通行ばかりで駐車場を出た車が2分以内に再び同じ場所に来るのは難しいそうです(自分は自転車通勤でした)。
部長の目の前で先輩に連絡する為に携帯にかけたら先輩が出て、
『すまん。ココ何処だ?』
と言ったのです。
部長にかわり、部長は怒鳴りましたが急に顔が青ざめました。
電話を切り、部長が
『車に乗って帰宅してて、途中コンビニに寄り車内で寝てしまったらしい。しかし、起きたら車が無く山の中だったと・・・。』
さらに、
『しかし・・・、あんなとこにコンビニなんか無かったはずだが・・・。』
とも言いました。
そして更に翌日、出勤して部長にもう1度詳しく聞こうとしたら、
『T?そんな社員は居ないぞ?』
と・・・。
会社の部長や同僚、自分の携帯にもメモリは残っておらず、自分の記憶の中と留守電だけに先輩が居ます。
留守電:『今、山を降りたら目の前が自宅だった。心配かけてすまなかった。』
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