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先月のある日、妻は職場の仲間と旅行へ行き、娘は部活で息子は何かのイベントだからと皆家を空けた事がありました。
私は1人、部屋で会社に提出しなければならない書類を整理していました。
気が付くと、昼も1時を回っていて
「カップラーメンでも食べるか・・・。」
と台所でガスコンロに火を点けた時でした。
「ピンポーンピンポーン」
と誰かが来たようです。
「はい、今開けます。」
「カチャ」
「あれ?○○さん。」
「こんにちは。ちょっとお願いがあって・・・。」
「え?何でしょう?」
○○さんは、我が家の裏に住んでいて、亡くなった母とも仲良くしてもらっていた人でした。
「あのね、男の人に分からないかもしれないけど・・・。着物の長襦袢を貸して欲しいのよ。」
「はぁ?妻が明日帰るので伝えておきますよ。」
「お願いね。後でトマトでも取りに来なさい。」
「ありがとうございます。」
「母と背格好も似ている○○さんは着物も合うんだろうな。」
私は何の疑いもなく、翌日帰宅した妻に伝えました。
家族で夕食を終え、子供達が入浴していた時に、妻が母の部屋でその長襦袢を出そうとした時でした。
「ピンポーン」
「誰だろ?」
玄関には○○さんの所へ嫁いできた妻と仲がいい○美さんが・・・。
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