三章

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「あっ……。美沙、やっぱり帰るね」 美沙は、古びた写真を見て慌てて席を立つ。 「みぃすぁちゃんが帰るなら僕も帰ろぉ」 「街道先輩…キモいです」 祐輔はプリンを食べながら呟いた。 「なんだ……もう帰るのか?もう少し、ゆっくりしていったらどうだ?」 「……じゃあ、みんな明日学校で」 美沙は、智洋の言葉には反応せず、みんなにそう言い残し去っていった。 「美沙ちゃん、ちょっと待って」 堀畑先輩は慌てて立ち上がり、美沙の後を追いかけようとした。 「先輩、私が行きますから、慎哉に着いててください」 咲希は、堀畑先輩にそう言って、美沙を追いかけようとすると、智洋が声をかけた。 「咲希!……すまない」 「おじさん、気にしないで!美沙ちゃんは、私にとっても妹みたいなもんだから!」 咲希は、頭を下げる智洋に笑顔で言った。 「おい!桜井!ちょっと待て!俺も行く!……このプリンうまっ!あと一つ……」 街道先輩は、プリンをまた食べ始めた。咲希は街道先輩を待たず先に行った。 咲希は外に出ると、美沙の姿は見当たらなかった。 「あれ?どっちに行ったのかな……。取り敢えず、駅に向かおうかな」 咲希は、駅の方へ走って行った。
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