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「あっ……。美沙、やっぱり帰るね」
美沙は、古びた写真を見て慌てて席を立つ。
「みぃすぁちゃんが帰るなら僕も帰ろぉ」
「街道先輩…キモいです」
祐輔はプリンを食べながら呟いた。
「なんだ……もう帰るのか?もう少し、ゆっくりしていったらどうだ?」
「……じゃあ、みんな明日学校で」
美沙は、智洋の言葉には反応せず、みんなにそう言い残し去っていった。
「美沙ちゃん、ちょっと待って」
堀畑先輩は慌てて立ち上がり、美沙の後を追いかけようとした。
「先輩、私が行きますから、慎哉に着いててください」
咲希は、堀畑先輩にそう言って、美沙を追いかけようとすると、智洋が声をかけた。
「咲希!……すまない」
「おじさん、気にしないで!美沙ちゃんは、私にとっても妹みたいなもんだから!」
咲希は、頭を下げる智洋に笑顔で言った。
「おい!桜井!ちょっと待て!俺も行く!……このプリンうまっ!あと一つ……」
街道先輩は、プリンをまた食べ始めた。咲希は街道先輩を待たず先に行った。
咲希は外に出ると、美沙の姿は見当たらなかった。
「あれ?どっちに行ったのかな……。取り敢えず、駅に向かおうかな」
咲希は、駅の方へ走って行った。
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