三章

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その頃…… 「街道先輩……、咲希行っちゃいましたよ」 祐輔は呆れた顔で街道先輩を見る。 「んなこたぁ分かってる!うまっ!このプリンが旨すぎるから悪いんだ!うまっ!」 「美沙ちゃん……、大丈夫かな……」 堀畑先輩は心配そうに外の方を見ている。 「……」 智洋は黙ったまま俯いている。 「大丈夫ですって!咲希がちゃんとついてますから!それよりこの写真……」 「……あぁ、昔撮った家族写真だ。……みんな笑ってるだろ?……俺がその笑顔壊したんだよ」 「智洋さん!それは俺のせいじゃないですか!」 「いや、憲治…お前は悪くない」 「いえ!あの時、俺が智洋さんを誘わなければ…」 「…確かにあの時、行かなければと何回後悔しただろう…。でもな、結局俺がしたことだ。憲治は悪くない。それに、子供の前だ。この話は止めておこう」 智洋が周りを見回すと、確かに、祐輔達は困った顔をしていた。 「……すみません」 末吉は小さな声で謝った。辺りの空気が沈んで、静かになってしまった。そんな時、野田先輩が口を開いた。 「じゃあ、先生のせいで、いっちーパパが別れたなら、なんで葵といっちーを応援してやらないの?先生のせいで、悲しい思いしたなら協力するのが当たり前じゃない?」 野田先輩の言葉にみんな固まった。 「ち、千里……。空気読もうね……。そ、それに言い過ぎだよ……」 龍ヶ崎先輩は、小さい声で野田先輩に喋りかける。
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