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堀畑先輩は慎哉と智洋の間に入って、両手を広げていた。
「慎哉君!あなたは、さっきまで熱があって寝ていたの!急に動いたりしたらダメでしょ!お父さんも!慎哉君は病人ですよ!安静にさせないと!」
「「は、はい」」
二人は声を揃えて返事をした。
「……はっ!……す、すみません!偉そうに言っちゃって」
堀畑先輩は、しまった!と、申し訳なさそうに頭を下げる。
「……はは、ははは!面白い子だ!ますます気に入った!もう、今すぐにでも嫁に来い!なーんてね」
「ば、ば、ば、バカ言ってんじゃねえよ!」
慎哉は、かなり慌てているが、どことなく嬉しそうにしている。
「そんなこと言っても、顔は真っ赤じゃないか!ははは!」
「と、と、智洋さん!それは出来ません!何があろうと許しませんよ!それは!」
末吉は、怒りで顔が真っ赤になって、智洋に抗議をした。
「……へへ。お嫁さんだって…」
堀畑先輩は、頬を赤らめて照れている。
「…………」
そんなやり取りをしている間、祐輔はしかめっ面をして、俯いている。
「じゃあ、お父さん美沙さんを僕に下さしゃ…ガフッ」
街道先輩が満面の笑みで智洋に喋りかけるが、途中で智洋に、蹴りを入れられた。
「誰がお前みたいな奴にやるか!ボケェ!」
「きゃはは!いいぞぉ!もっとやれぇ!」
野田先輩は、まるで、プロレス観戦でもしているかのように一人興奮している。
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