三章

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堀畑先輩は慎哉と智洋の間に入って、両手を広げていた。 「慎哉君!あなたは、さっきまで熱があって寝ていたの!急に動いたりしたらダメでしょ!お父さんも!慎哉君は病人ですよ!安静にさせないと!」 「「は、はい」」 二人は声を揃えて返事をした。 「……はっ!……す、すみません!偉そうに言っちゃって」 堀畑先輩は、しまった!と、申し訳なさそうに頭を下げる。 「……はは、ははは!面白い子だ!ますます気に入った!もう、今すぐにでも嫁に来い!なーんてね」 「ば、ば、ば、バカ言ってんじゃねえよ!」 慎哉は、かなり慌てているが、どことなく嬉しそうにしている。 「そんなこと言っても、顔は真っ赤じゃないか!ははは!」 「と、と、智洋さん!それは出来ません!何があろうと許しませんよ!それは!」 末吉は、怒りで顔が真っ赤になって、智洋に抗議をした。 「……へへ。お嫁さんだって…」 堀畑先輩は、頬を赤らめて照れている。 「…………」 そんなやり取りをしている間、祐輔はしかめっ面をして、俯いている。 「じゃあ、お父さん美沙さんを僕に下さしゃ…ガフッ」 街道先輩が満面の笑みで智洋に喋りかけるが、途中で智洋に、蹴りを入れられた。 「誰がお前みたいな奴にやるか!ボケェ!」 「きゃはは!いいぞぉ!もっとやれぇ!」 野田先輩は、まるで、プロレス観戦でもしているかのように一人興奮している。
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