三章

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「はぁ、みんな!遅くなったから、そろそろ帰るよ!」 龍ヶ崎先輩は、ため息をつき、手をパンパンと鳴らして喋った。 「あっ!本当だ!今日見たいテレビがあったんだ!結衣!早く帰ろ!いっちー!いっちーパパ、バイバイ」 「ちょ、ちょっと!千里!待って!と、智洋さん、お邪魔しました!市原!ちゃんと風邪治せよ!」 野田先輩は、龍ヶ崎先輩の手を引っ張り、外へ向かっていった。 「お父さん!今度は美沙ちゃんと二人で来ま……ガッフ」 智洋の前に立ってお辞儀をしていた街道先輩を、智洋は容赦なく蹴り飛ばす。 「お前は二度と来るな!」 「智洋さん……。また…」 末吉は、おどおどしながら智洋に喋りかけると、満面の笑みで智洋は喋り出す。 「おう!またな!憲治」 「慎哉、明日な!おじさん、お邪魔しました」 「あぁ!また明日な!」 「また来いよ!」 祐輔は、慎哉の肩を叩き、智洋にペコッと挨拶をして出ていった。 「慎哉君……。また明日ね。あっ!ちゃんと寝てなきゃダメだよ。風邪を拗らせたら会えないんだから……。お父さん、お邪魔しました」 「う、うん。いろいろ迷惑かけてすみません」 「迷惑だなんて思ってないよ!だって、……彼女だもん」 「はいはい。ラブシーンは親がいない所で頼むな」 「ば、バカか!」 「お、お父さん……」 二人して顔が真っ赤になっている。堀畑先輩は小さく手を振り、外へ出ていった。 こうして慎哉の家での大騒動が終わった……。
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