四章

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次の日 朝日が部屋に入り込み、慎哉が目覚める。 「う゛ー!よく寝た!…おっ!体が大分楽だな!やっぱ、あの注射はすげぇな…。って、やべぇ!遅刻だ!」 ふと時計に目をやると、アラームがなっていないことに気付く。ベッドから飛び起きて、急いで顔を洗い、制服に着替えた。 「あの時計も寿命かな…」 慎哉はパンを片手に持ち、呟きながら家を出た。パンをかじりながら、学校まで走って行く。 キーンコーンカーンコーン 「やっべ!」 校門を通り過ぎるとチャイムが鳴り響く。慎哉は靴を履き替え、一気に階段を駆け上った。 ガラガラガラ 「ふぅ…。ギリギリセーフだ」 まだ、末吉は来ておらず、安堵の表情を浮かべた慎哉は、息を切らして自分の席に着いた。 すると、佐藤さんが近づいて来る。 「昨日は先に帰っちゃって、ごめんなさい。もう熱は大丈夫なの?」 「あぁ、大分楽だよ。こっちこそ迷惑かけてごめんね」 「ううん。元気になって良かった…。じゃあ、そろそろ先生来る頃だから戻るね」 佐藤さんは笑顔を浮かべて、自分の席に戻っていった。 ガラガラガラ 「ふぁー……はぁ…出席とるぞ!」 佐藤さんが席に着くと同時に、末吉は欠伸をしながら教室に入ってきて、ダルそうに出席をとり始めた。
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