駄文

1/5
前へ
/5ページ
次へ

駄文

人という字は二本の棒でできてる その字には二本を人に見立てて人と人が支えあうという善意の解釈がある だらしない長いほうが真面目な短いほうに一方的に寄りかかっているという当然の解釈がある そもそも一人っきりで立っているという哀しい解釈もある それらはどれもが等しく人間を表している 時に狂おしいほどに誰かを愛し、あるいはただただ自分勝手で、常に分かりあえることはなく孤独でしかない どれもが自分で、どれもが他人 その漢字は自分を映し、印象に残る誰かを鏡見る 解釈は人の数だけ増えてまったく同じものなどありはしない
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加