28人が本棚に入れています
本棚に追加
体中が痛い。
痛みで目を開けると、目の前には涙でグチャグチャになったメリちゃんとヒロ…
「タロちゃん!分かる?タロちゃん!!」
ぼくはゆっくり頷く。
『メリちゃんごめんね。いっぱい心配かけてごめんね。』
メリちゃんの手が温かい…
「良かったぁ。良かったぁ。心配したんだからね…もぅ何処行ってたのよ…」
メリちゃんの目からまた大粒の涙。
『んじゃ、元気でな。もう無茶すんなよ』
ぼくが生き返ったのを確認すると、笑って死神さんが手を振る。
『死神さん…ありがとう』
ぼくの、か細い声が届いたかは分からない。
ふわりふわりと、右手を挙げながら飛び去る死神さんの背中に、朝日が当たってキラキラ輝いて見えて、まるで天使のようだった。
最初のコメントを投稿しよう!