笑顔６

『おーい。大丈夫かぁ？』

誰かぼくを呼んだ…？

ゆっくり目を開けると死神さんが、ぼくを覗き込んでいる。

『全く無茶しやがって』

呆れ顔の死神さん。

『そうだ!ヒロは!?ヒロは生きてる!?』

死神さんの足にしがみついて揺する。

『ほれ自分で見てみろ』

指差してる方を見ると、ヒロは周りの人に何かを叫んでいた。

『お願いします!誰か動物病院を教えて下さい!!お願いします!!お願いします!!』

悲鳴にも似たヒロの絶叫を、ぼくは初めて聴いた…