学校だよルフィーナさん!

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「ちょっ! たす、助けて~!」 何処かへ連れ去られようとしているロキが、周りへ助けを求めると、ほとんどのクラスメートは見て見ぬ振り。 それはそうだろう。 理性をどこかへ無くした最古のドラゴンなど、誰も相手にしたくない。 こんな時に動いてくれるのが、ケイと晃だ。 ケイなど、先程ルフィーナから怖い目にあったばかりにも関わらず、急いでルフィーナの前へ出て、決死の覚悟でルフィーナに話し掛ける。 「ルル、ルフィーナさん。今から授業だし、もう直ぐ先生来るし、今日はテストもあるし……」 「そうだよルフィーナさん。テストを受けられなかったら、ロキ君が困っちゃうよ?」 ルフィーナの前に立ちはだかるケイに対して、ルフィーナの後方から晃が注意を促す。 すると、晃の「ロキが困る」と言う言葉にルフィーナが反応して「う゛」とくぐもった声を漏らし、腕の中に居るロキへと目を向ける。 「そうだよルフィーナさん! 朝も言ったじゃないか。僕は、どうしても森羅に入隊したいんだよ。だから……ね?」 さてさて、ここで1つ。 大きな誤算がある。 ルフィーナが常に近くに居るため、ロキはいまいち理解できていないようだが、ロキはサラサラな髪と、大きく円らな瞳や、整った目鼻立ちから、とても可愛らしい顔をしていて、何気に女子から人気があるのだ。 その顔で、しかもその大きく円らな瞳を潤ませながらルフィーナを見上げれば、理性を何処かへ吹き飛ばしてしまっているルフィーナなど、暴走させるのは簡単だ。 「嗚呼……愛らしい。愛らしすぎる……。アナタ。妾は、もう辛抱たまらぬのじゃ!」 「な、何でぇ!」 再び、今度はしっかりとルフィーナに抱き締められてしまったロキは、意味が分からず悲鳴を上げ、ケイや晃も頭を抱えてしまう。 「ロキ! お前は可愛いんだよ! いい加減に自覚しろ!」 「ちょっと待っててね。もう一度ルフィーナさんに話し掛けてみるよ」 ケイ、晃の話を聞きながら、ロキはどうしたら良いのか分からず、とにかく混乱する頭を落ち着かせようと深呼吸。 すると、ロキの大きく吐き出した息が、ルフィーナの胸を刺激したらしく……。 「なんと、妾の胸に息をかけるとは……。うふふふふふ……何じゃ? アナタもそのつもりだったのじゃな?」 「ちがーーーう!」 益々暴走し始めたルフィーナに、ロキは半泣きの顔で叫ぶのだった。
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