学校だよルフィーナさん!

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「昨日だって、僕がお風呂に入ってたら、いきなり入ってこようとするし……」 白いカッターシャツに腕を通しながら、少年のぼやきは続く。 「だいたい、お父さんやお母さんだって、どうかしてるよ。 ルフィーナさんが、いきなり押し掛けてきたその日から、家に住まわせるんだから……」 ズボンを履き、上着とカバンを掴むと、少年は部屋のドアを開けた。 「…………」 そして、ドアを開けた途端、少年は一時停止。 何故か? それは、ドアを開けた先に、体育座りした格好で少年を怨めしげに見上げるルフィーナが居たからだ。 「…………」 無言で、涙に濡れた目を向けてくるルフィーナを、少年は半眼になりながら見下ろして、静かに手を差し伸べた。 すると…… 破顔一笑。さっきまで涙に彩られていたルフィーナの顔に、満面の笑みが浮かび、差し出された少年の腕に飛び付いた。 「やはり、アナタは優しい! 妾を愛している証拠じゃな!」 泣いていたかと思えば直ぐに笑い、何か文句を言えば「夫が冷たい」だの「家庭内暴力」だのと言って、また泣き出す。 連日連夜、少年はルフィーナに振り回される日々を送っているのだ。 「嗚呼、平穏な日々が懐かしいよ」 笑顔で腕に抱き付くルフィーナを見やり、少年が小さくため息を吐き出した時だった。 「ルフィーナさん! ロキは起きた?」 階段の方から、少年の母親の声が聞こえてくる。 「うむ! 義母上(ははうえ)! 直ぐに下へ参りますぞ!」 階段から聞こえた声に、ルフィーナが応え、グイグイ少年の腕を引っ張りながら階下へ移動していく。 今日も、慌ただしい日常が始まるんだ。 ロキと呼ばれた少年は、そんな事を思いながら、ルフィーナに引かれるまま階段を降りていくのだった。
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