学校だよルフィーナさん!

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さてさて、ルフィーナに朝から襲われ、天然な母親を急かして朝食を済ませ、顔を洗って髪を整え、ようやくルフィーナと一緒に家を出たロキは、家を出て直ぐに注がれる周りの視線に、小さくため息を吐いた。 「僕、この視線だけは、なかなか慣れないんだよね」 とは言っても、視線が注がれる主はルフィーナなのだが……。 ルフィーナに注がれた視線が、奇異の目に変わってロキに向けられるのが嫌なのだ。 まぁ、最近では諦めの境地といった心境のようだ。 と言うのも、ルフィーナの容姿が……。 透き通るくらい白い肌を、腰まで流れる黒髪が彩り、腰は抱けば折れるくらい細く、一見すれば華奢で儚げに見える。 だが、完璧に左右対称なその顔の中で、吸い込まれると錯覚させるくらい黒く輝く瞳が、彼女か決して弱い存在ではない事を伝えている。 その目が人を惹き付けるのか? その顔が人を惹き付けるのか? どちらにせよ、ルフィーナが隣に居る事で、注目を集めてしまうことは事実だ。 「ルフィーナさんは、人を惹き付け過ぎるんだ」 諦めの境地とは言え、言わずにはおれなかったのだろう。 ロキが、溜め息混じりに呟いていると、当のルフィーナが気にした様子もなくロキの手に抱き付いた。 「隙ありじゃ!」 ロキの左腕を、自分の胸元へ抱き入れたルフィーナはご満悦。 嬉しそうな顔をしているルフィーナを見て、ロキは疲れた様な顔で小さくため息。 「アナタ。今日は実地での戦闘訓練がある日じゃぞ? 妾が、しっかりとアナタを鍛えてやるからの」 ニコニコ顔で話すルフィーナを見て、ロキは困り顔だ。 「何度も言うけど、ちゃんと訓練したいんだ。だから、ちゃんと実地訓練しようね?」 ニコニコ顔なルフィーナへ、ロキが注意すると、途端にルフィーナの顔が険しくなる。 「う、うむ。分かっておるぞ! 妾も、アナタの気持ちは良く分かっておる。アナタは“森羅”に入りたいから、強くなりたいのじゃろう? じゃから、妾もしっかりと鍛えるつもりなのじゃぞ? ただ……」 険しい表情のまま、ロキから視線を外すルフィーナを見て、ロキはこれ見よがしに大きなため息を吐き出した。 「本当に頼むね。僕は、どうしても兄さんと同じ“森羅”で働きたいんだ。その為にも、強くなりたいんだ」 ロキが真剣な眼差しを向け、真摯にルフィーナへ訴えると、ルフィーナは「う゛」と声を詰まらせるのだった。
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