学校だよルフィーナさん!

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登校し、教室に入れば、今度は大勢の女子がルフィーナに群がる。 「ルフィーナ様。おはようございます! 今日も、お美しいです!」 この時間。ルフィーナに群がるのは、主に下級生で、男子は遠巻きにルフィーナを眺めに来るくらいだが、これが休み時間によって、寄ってくる学年も、性別も違うのだから、何かと取り決めがあるのかも知れない。 とは言え、この取り巻き。ロキにしてみれば迷惑以外の何者でもない。 と言うのも、ルフィーナの席はロキの隣。取り巻きが邪魔で、なかなか席に座れないのだ。 そして、ルフィーナはロキが困るのを極端に嫌う。 となると……。 「皆、妾の傍に来るのは構わぬが、妾の夫を困らせるでない。もし、夫を困らせるなら……」 毎度行われる遣り取りだが、こうやってルフィーナが周りの取り巻きへ脅しをかける事で、ロキはようやく自分の席に座れるのだ。 「……ふぅ」 席について、ひと息吐いた後にロキがするのは、朝のホームルームが始まるまでの時間で教科書や宿題のチェック。 その間も、ルフィーナは取り巻きから「お菓子を作ってきました」だの、「どうしてそんなに綺麗なんですか?」だのと質問責めにあっている。 「ふむ。このお菓子は美味じゃのぅ。そなたが心を込めたのが伝わってくる。 綺麗なのは生まれつきじゃ」 毎度の事ながら、質問責めにあう中で、良く一つ一つに答えられるなと感心しつつ、ロキはルフィーナから解放されるこの時間を、密かに満喫していたりする。 と、ここでロキのそばに寄ってくる男子が1人。 「おはよ。今日の数学、テストするとか言ってたよな? お前、勉強してきたか?」 肩まで伸ばした青い髪を、真ん中で分けていて、切れ長の目もやはり青い。 ロキよりも高い鼻や、少し厚めの唇、細い顎、細く整えた眉だけが黒い。 結構人目を引く容姿をしているこの男子は、ロキとルフィーナのクラスメートであり、ブルードラゴンと人間の間に生まれた竜人でもある「柳(やなぎ) ケイ」だ。 そして、ケイに少し遅れて、まるまる太った大柄の男子がロキに近付いてくる。 「ロキ君なら、ちゃんと勉強してるよ。ケイ君も、ちゃんと勉強した方がイイよ?」 やんわりとした口調で話し掛ける彼は「熊井 晃(くまい あきら)」と言って、スポーツ刈りに丸い鼻、細目を更に細くして、いつもニコニコしている為、クラスでも癒しキャラで通っていた。
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