学校だよルフィーナさん!

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「ウメッ! クマさんのケーキ美味いよ!」 ケイにとっては、水梨の甘みなど、どうでも良いようだ。 ロキがタッパーからケーキを後1つ摘む間に、「美味い」と連呼しながら、あれよあれよと言う間にケーキを平らげていく。 さて、コレで済まないのは、最早お約束。 「ケイ! クマのケーキを残しとくのじゃぞ! 妾も食べたい!」 あっという間に食べ尽くそうとしていたケイに、横からルフィーナの声が掛かる。 だが、時すでに遅く、ルフィーナが声を掛けた時には、ケイは最後のケーキを口に入れてしまっていた。 「ムガッ! ルフィーナさ……もう、食った後で……」 口の中に頬張ってしまったケーキを、飲み込むに飲み込めないまま、ケイがルフィーナに向かって話す。 そして、そんなケイから遠ざかるロキと晃。 いつの間にやら、周りにいたはずの取り巻きも居なくなり、背中から不機嫌な状態を物語るように黒いオーラをたぎらせたルフィーナが、椅子から立ち上がり、じわじわとケイに近付いていく。 「食うたのじゃな? 妾が言うたのに、全部食うてしまったのじゃな?」 黒いオーラを漂わせて、凄みを効かせて歩いてくるのだから、ケイにしてみればたまったものでは無いだろう。 「○×△※◇」 口の中にケーキが残っていたせいか? 純粋に恐怖からか? 意味も分からぬ悲鳴を上げ、ケイはロキへすがるような目を向ける。 すると、ロキは自分が摘んだケーキを見て思案顔。 何か考えているらしく、ケイの顔を見て顔をしかめた後、ルフィーナの顔を見て、少しの間黙っていたかと思うと、軽くため息を吐き出しながらルフィーナに声を掛けた。 「ルフィーナさん。少し食べちゃったけど……、僕の分をあげるから、機嫌なおして」 ケイを助けるためとは言え、ロキのこの言葉が、ルフィーナを狂わせる。 ケイに詰め寄っていたハズのルフィーナは、一瞬でロキの前に移動したかと思うと、前屈みになりながら、両手を眼前で組んで目を輝かせる。 所謂「お願いポーズ」をしたルフィーナは、ロキの持つケーキを見て一言……。 「間接キッスじゃな!」 黒い瞳をキラキラ輝かせ、頬はほんのり赤く染めているルフィーナは、可愛くもあり美しくも見えるのに、背筋が冷たくなってしまうのは何故だろう? そんな事を思いつつ、ロキはルフィーナにケーキを差し出すのだった。
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