プロローグなど

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…… 「ここは?」 「やっと起きたか」 「……え?君は?」 「私は朱葉、朱葉・D・ガルティだ」 わからない。なぜ私は名乗っているんだ?……そんな義務もなにもないのに…… 「あ、ありがと。一人で歩ける。降ろしてくれ」 男の言う通り身体から引き離す。そして何も言わずに私は歩みをまた進めた。 男は私に合わせるように歩みを進めていく。 「あ、俺はキルト。あ、あのさ――」 「あ、ばかりだな。もっとはっきり話せないのか?」 「あ、ごめん」 言ったところで直りそうにない。現に結局【あ】を言っている。 呆れて、歩みを進める。 「ねぇ、ここは?」 「知らない。お前を連れて逃げるには無理がありすぎて、私は崖からここに堕ちてしまったからな」 「え?あんな高いところから!?」 「あぁ、私は人間じゃないからな。容易い」 「人間じゃない!?」 流石に話が突拍子もないことで、キルトは全く理解できていなかった。まぁ無理もないだろうけれど…… 「とりあえず、何も考えるな。前だけ見て進め。振り返れば明日はない」 「あ……うん……」
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