【三】

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「良かったじゃない」 「よくないよ。あれが…最後だったんよ。姉ちゃんに貰った最後のプレゼント」 禮は少し寂しそうに笑った。 いつもとは違う愛の態度が、禮の脳裏に浮かんでは消え、自分が直接誕生日プレゼントを渡すことが出来なかったことを、悔いているように思えた。 何気ない日常の会話が、記憶の中で甦り、目の前にある現実と向き合えないでいる。 「……愛らしいね」 狭い談話室で、もう二度と会話を交わすことが出来ない愛を思い、私達は辛い現実と向き合わなければいけなかった。
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