1170人が本棚に入れています
本棚に追加
「良かったじゃない」
「よくないよ。あれが…最後だったんよ。姉ちゃんに貰った最後のプレゼント」
禮は少し寂しそうに笑った。
いつもとは違う愛の態度が、禮の脳裏に浮かんでは消え、自分が直接誕生日プレゼントを渡すことが出来なかったことを、悔いているように思えた。
何気ない日常の会話が、記憶の中で甦り、目の前にある現実と向き合えないでいる。
「……愛らしいね」
狭い談話室で、もう二度と会話を交わすことが出来ない愛を思い、私達は辛い現実と向き合わなければいけなかった。
最初のコメントを投稿しよう!