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ポケットからジッポライターを取り出し、龍司がくわえた煙草に火を付けた。
俺も自分のポケットから一本取り出し火を付ける。
「お前のご両親が行っちまってからもう七年か…」
「人の両親殺すな」
両親は共にアメリカの大地で働いている。しかもウォール街の一端を担っているとか…
両親が渡米する際、俺は祖父母の家に預けられた。
「もう少し大きくなって、自分の考えを持てるようになってから日本かアメリカかを選ぶようにすればいい」
そう言って両親は俺を祖父母の家に残し出かけて行った。
年二回日本に帰ってくるが、その時に俺はこの町にもどる事を決意し、今日にいたるのだが、まさか都市部で行ってきた仕事がこちらにまで抜けているとは思いもしなかったわけで、何でも、俺を雇っていた社長とこの病院は親密な関係にあるとかないとか。
「なあ真琴、お前禁煙しねえの?」
「医者の言う事がそれか…世も末だな」
「そういうなって、社長にはよろしく言われてんだ。お前には定期的に仕事を回すよ」
「それはどうも」
そう言って白衣やズボンのポケットをまさぐりまくっている龍司は、そのまま一枚の写真を取り出した。
そこには俺と同い年位の女の子が写っていた。
「その子な…そろそろお迎えだ。」
「こんな若いのにな…」
俺と龍司が紫煙を燻らせながら空を見上げた。
12月のグレーの空は、俺の肺と同じような色をしているのだろうか?
俺の仕事と言うのは、簡単に言えばなんでも屋のようなものだ。
依頼を受けて、それに見合った報酬を貰う。
基本はコンピューター関連なのだが、まれに荒事やなんかも行っている。
「時は金になんかならんよ、金になるのは物と行動だけだ。」
社長は当時中学三年生だった俺の学校帰りを無理やり車に押し込めそういった。
なんで社長に気に入られたのかまでは判らないが、それ以来何かと仕事をくれるようになった。
そして今回、俺が請け負った仕事と言うのが(依頼主の娘と友人になる事)だそうで、ターゲットは天道友華、年齢16歳だそうだ。
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