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 誰もいない昼下がりの公園に、ある一人の若い男がいた。  公園の中央に突っ立っているその男は特に何をする訳でもなく、ただ周りの景色を楽しむかのように黙って辺りを眺めていた。 「…………」  ふと空を見上げ、眩しそうに目を細める男。彼の目に映ってていたのは、真っ青な空にポコポコと浮かぶ白い雲。  気持ち良さそうに空を浮かぶそれはマシュマロのようで、見ていて何だか美味しそうだった。  ふわふわと空に浮かぶ雲に、それをぼんやり眺める男。  突然、その一つがプゥと膨らんだ。 「…………」  何故か雲からすっと視線をはずす男。まるで、嫌なもので見たかのように。  公園になんとも言えない、妙な空気が漂う。その場を誤魔化すように、視線を公園の景色に戻す男。  そんな彼の頬を、時折熱を帯びた風が撫でていった。 *******
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