§第1章§

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『ん~…』 ゆっくりと背伸びをする。 『今日も疲れたなぁー』 独り言を言いながら歩くいつもの帰り道。 私、篠原姫樺(ササハラヒメカ)。 先々週、高校2年生になりました。 自宅から徒歩10分の場所に位置する、『私立姫井高校』に通っています。 桜の花びらは散ってしまったけれど、葉桜が並ぶ並木道を1人歩く。 夕焼けで空はすでにオレンジ色。 毎日歩くこの道。 だけど、飽きない。 私はこの道が大好き。 だから毎日ルンルンで登下校出来ちゃう。 ………あれ?? 何だろう、あれ……… 道端に、光り輝くものを見つけた。 光り輝くものに駆け足で近寄る。 『ペンダント……?』 それは、きれいな浅葱色をしたペンダントだった。 『きれー……』 私は青とか緑が大好き。 だから浅葱色なんて大好きすぎるくらい好き。 1人ペンダントに見入る。 『まだ、見てたいなー…。明日、交番に持って行けばいいよね…??』 なんて、“つい出来心で”的な感じでペンダントを拾い上げる。 『1日くらい、いいよね…』 こんな軽い気持ちで持ち帰ったペンダント。 まさか、あんなことになるとは……… 今の私が到底知るハズがなかった。 、
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