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そして、数日後。
神社の参拝客も滞ってきた1月3日。
俺は駅の銅像下で、落ち着きを見せず、人待ちをしている。
デートへの待ち合わせは11時なのだが、俺は一時間も早く来てしまっていた。
時はやっと50になり、そろそろ美優も着くんじゃないか。 とキョロキョロし始める。
「――彰」
「ぬわぁ! ……み、美優か?」
「うん」
突如、視界が真っ暗になる。
後ろから美優に目隠しをされたためだ。
でもそのときに、美優とかなり接近していたため、爽やかな香りが俺の鼻を刺激した。
「今日は、彰の奢りだし、い~っぱい食べちゃおっかな!」
目隠しを解くとそんなことを言ってくる。
美優は、白いワンピースに薄黄色のカーディガンを上手に着こなしている。
「あんまり、俺の財布をいじめてあげないでくれ」
「どうしよっかな?」
美優の笑う姿は、本気で天使かと思えて、俺の日々の疲れを吹き飛ばしてくれる。
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