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いつもは来ないお洒落なカフェへと入り、着席する。
「じゃあ私はね~」
注文を選ぶその姿は初めてデパートに来た子供のようだ。
「これにしよう。 彰は決まった ?」
「あぁ」
「店員さ~ん!」
美優の言葉に、ほとんどの客がこっちを向き、店員が走ってくる。
そりゃもう恥ずかしい。 だって、
「お客様、お呼びになられる場合はこちらのボタンを押してください」
「そ、そうなんですか?」
瞬間、美優の顔がほんのりとリンゴ色に染まる。
「ご注文は?」
「わ、私はこのハチミツ揚げパンと、イチゴパフェで……」
「俺はコーヒーで」
「畏まりました」
店員が帰っていくと、美優はあぅ~と落ち込み始めた。
「気にすんなって」
「でも~。 どうして私ってこんなにおっちょこちょいなの?」
「それを、俺に言われても」
まだ、美優が頭を抱えてるうちに注文の品は運ばれてきた。
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