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「ははは!こいつなんにも抵抗しないぜ!」
「楽しいなぁ!楽しいよなぁ!アレ●ヤぁ!」
「絶好調である!」
なんだろう…?俺の記憶がおかしいのかな…?
どこぞの二重人格者と御大将がいる気がするんだが…。
まぁそれは置いとこう。
俺が諦めてうずくまっているのをいいことに、数名の少年達は更に勢いをました。
この時俺の心は折れた。
泣かないと決意したにも関わらず、勝手に溢れ出てくる悔しさと恐怖を含んだ涙。
「(もうやだ…もうやだよぅ…!だれかたすけてよ…だれでもいいから……)たす…けてよ…」
「あっ?なんだって?聞こえねぇよ!」
「「「「ははははは!」」」」
その時ジャングルジムのてっぺんから声が聞こえてきた。
「お前ら、そこまでだ!」
「「「「あっ?」」」」
凛とした声、長く綺麗な黒髪。
そして俺と同い年と思われる背丈。
その顔はまだ幼いがとても可愛い。
「なんだよ、お前?女が調子こいてんじゃねぇよ!」
「「「そうだ、そうだ!」」」
「だまれ!『たたかいにおいて男、女は関係ない』って父上は言っていた!それを今ここで証明してやる!とうっ!」
そういい女の子はジャングルジムのてっぺんから“飛び降りた”。
そう、飛び降りたのである。
ジャングルジムの高さはそれなりにある。
大人が飛び降りても重傷になりかねない。
それをましてや10歳にもならない子供がてっぺんから飛び降りるとなると、ケガどころではすまないかもしれない。
「「「「「と…飛んだ!」」」」」
俺と数名の少年達が叫ぶ。
それを横目に女の子は華麗に着地する。
俺はその姿に見とれていた。
特撮のヒーローがやるような行為に子供の頃の俺は胸が高鳴った。
「そこの私と同い年くらいの少年…」
「な…なに?」
「100人だ…」
「えっ?」
「100人せんりょくがふえたと思え」
「は…はぁ…」
いきなり女の子に話しかけられ、その上訳の分からない事を言われ、少年達の事をすっかり忘れていた。
「なに言ってんだ?お前?どこに100人いるっていうんだよ!」
「ははは!違いない!」
「4vs1でなぁ!勝てるわきゃねぇぇぇだろぉぉぉぉお!!!!!!!!!!」
「父上がいってた。『たしかにたたかいは数だ。だが数がいても質が悪ければ意味はない。つまり、数より質がだいじなんだ』って!」
そう言った瞬間女の子はどこから出したのかクナイを手に握っていた。
それよりも御大将どうにかしてくれ。
シリアスが台無しだ。
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