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(……やっぱり分からない、こんな小さなレストランを占拠する理由が……それに捕まらないだって? バカな、人質の命が無くなったら、もうここから逃げる手段など無い筈だ、ただのはったりなのか?)
どれだけ銃をこめかみに突き付けられようと怯える事も無く、ミストはひたすら現状の打開策を練っていた。
男は、一段落着いたとでも思ったのだろうか、さっきよりも落ち着いた様子で受話器を置いた。
そしてそれから何十分が立ったのだろう、室内は痛い程の静けさに包まれた。恐怖だけがこの空間を支配していたからだ。
ただ店の外だけが慌しくざわめき始めた。
野次馬が集まり、警察が店の周囲を囲み始めたのだ。
もう、この事件も佳境という事なのだろう。
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