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「もし、貴方達が逃げようとすれば、僕は大声を上げる」
すると強盗団の顔色が変わった。 あきらかに動揺している。
「こ、このやろう……」
「ふふっ、どうします?」
得意満面の顔で言うミストにリーダーは握り拳を振り上げた。
するとどう言う事だろう、ミストは大きく息を吸い込みながら口を開くと、そのミストの行動にリーダーはなぜか情けない弱った表情で拳を降ろした。
「貴方達……やはり魔法の暴発を恐れているんですね?」
ミストが挑発するような口調でそう言うと強盗犯達は一斉に黙り込んでしまった。
「杖は一箇所に大量に固めて置いておくと魔力が増幅し、杖達の魔力の状態はとても不安定な状態になる、そんな状況で仲間達を集める為に大声を上げる様なマネをすれば、不安定な杖達が大きな声を呪文と勘違いし、何かしらの呪文が一斉に暴発してしまう恐れがある、だから貴方達は大声を上げれなかった、そして大声を上げずに済む、人の声じゃなければ反応しない魔法の特性を使い『モールス信号』で仲間には合図してたんだ」
「……クッ!」
「さっき机を叩いたテンポはトントントンツーツー、『3』を表すモールス信号、3を集合か何かの合図にしてたんでしょ、集合は大声を上げなければならないからね」
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